油絵の描き方:人物を魅力的に描くコツを初心者にわかりやすく解説!

油絵で人物を描くことは、多くの画家にとって魅力的でありながらも難しいテーマの一つです。

顔の表情や体の動き、肌の微妙な色合いを表現するには、デッサン力や色彩の知識だけでなく、油絵ならではの技法を活かすことが大切です。

この記事では、人物を魅力的に描くためのコツやテクニックをご紹介します。初心者の方でも実践しやすい方法を中心に解説します。

初心者の方でも取り組みやすいように、道具の準備から基本的な筆使い、色の重ね方まで丁寧に解説します。 ぜひ、この記事を参考にして、自分だけの表現を見つけてください!

 油絵で人物を魅力的に描くコツ

油絵で人物を魅力的に描くコツを、構図・立体感・色使いの観点からわかりやすく解説します。

魅力的な人物画を描くための構図の考え方

 人物を描く際に最も重要なのが構図です。 構図が良ければ、見る人を引き込むような魅力的な作品になります。  私は、まずシンプルな三分割法を意識し、人物の顔や目の位置を画面の重要なポイントに配置するようにしています。
また、人物のポーズや背景とのバランスも考えながら、静止した絵の中にも動きを感じさせる構図を探るのがポイントです。

光と影を活かして立体感を出す方法

 光と影のコントラストを意識することで、人物に立体感を与えることができます。  私は自然光を利用したライティングを好みますが、スタジオライトを使う場合は一方向から光を当て、明暗の差を強調します。
肌のハイライト部分には厚めの絵の具を乗せ、影の部分にはグレーズ技法(薄く絵の具を重ねる技法)を使うことで、奥行きを出すことができます。

色使いで人の印象を決めるテクニック

 肌の色は単に「ベージュ」ではなく、ピンクや青、緑などの微妙な色合いが混ざっています。  私はまず薄い色で下塗りをし、その上に温かみのある色と冷たい色を混ぜながら少しずつ調整します。
たとえば、血色を良く見せたいときはローズ系の色を頬や鼻先に入れると生き生きとした表情になります。

 初心者必見!油絵の人物の描き方ガイド

初心者が油絵を始める際の手順を具体的に解説します。

初心者におすすめの油絵の道具と準備

初心者が油絵を始める際には、まず基本的な道具を揃えましょう。
私が最初に揃えたのは、以下のようなものです。

 ・油絵用のキャンバス 

 

 ・基本の油絵具(白・黒・赤・青・黄など) 

 

 ・油絵用の筆(平筆・丸筆・細筆) 

 

 ・ペインティングナイフ 

 

 ・テレピン油やリンシードオイル(溶き油) 

 

これらを準備し、シンプルな色使いから始めると、色の混ぜ方や筆使いを理解しやすくなります。

下絵の描き方と油絵の進め方

私はまず地塗りをした後(地塗りの記事参照:「油絵の描き方入門:美しい発色を生む地塗りの基本」)、鉛筆や木炭で下絵を描き、その上に薄く油絵の具で下塗りをします。

こうすることで、油絵具の発色が良くなり、全体のバランスを見ながら描き進めやすくなります。

初心者の方は、輪郭をはっきり描きすぎず、柔らかく描くことで自然な仕上がりになります。

失敗しない肌の色の作り方と塗り方

肌の色を作る際、私は白に黄色や赤を混ぜてから、少しずつ青や緑を足して微調整します。

特に影の部分には、補色(例えば、オレンジの影に青を少し加える)を意識すると自然な陰影になります。

肌を塗る際には、最初に広い面を大まかに塗り、後から細かい部分を調整するのがコツです。

油絵でリアルな人物を描く描き方の基本

 

リアルな顔を描く際のポイントを解説します。

リアルな顔を描くためのプロポーションの理解

 人物画を描く際に大切なのが、顔の比率を正しく捉えることです。  私は最初に顔を縦横のガイドラインで分割し、目・鼻・口の位置を確認します。
特に目と目の間の距離や耳の位置は見落としがちなので注意が必要です。

質感を表現する筆の使い方と塗り方

私は、筆の種類を使い分けることでリアルな質感を表現しています。
たとえば、肌の柔らかさを出したいときは平筆で滑らかにぼかし、髪の毛は細筆やナイフを使って流れを表現します。
 筆のタッチ一つで人物の雰囲気が変わるので、さまざまな描き方を試してみるのが大事です。 

目・鼻・口などの細部をリアルに描くポイント

顔のパーツを描くとき、特に目は「光の反射」を意識すると生き生きとした表情になります。 白目に少し青やグレーを加えることでリアルな質感が出せます。 鼻の形は影を意識して描くと立体感が生まれます。

油絵の描き方|人物を上手に描く練習法

ヨハネス・フェルメール「牛乳を注ぐ女」

油絵で人物を上手に描くためには、まずはデッサン力、そして色の重ね方の練習方法を解説します。

デッサン力を鍛えるための基礎練習

私は毎日10分でもクロッキーを行い、人物の形を素早く捉える練習をしていました。
短時間で描くことで、観察力とバランス感覚が鍛えられます。

色の重ね方を学ぶグレーズ技法の練習

グレーズ技法を使うと、透明感のある肌や深みのある影が表現できます。
私は薄く塗った後に何度も重ねて、徐々に色を調整していきます。

グレーズ技法とは

グレーズ技法(グレージング)は、絵画における伝統的な技法のひとつで、透明または半透明の絵具の層を重ねることで、作品に深み、輝き、そして豊かな色彩を与えるものです。以下に、グレーズ技法についての詳細を説明します。

グレーズ技法の基本

  • 透明な絵具の層:
    • グレーズ技法では、溶剤で薄く溶いた透明性の高い絵具を使用します。
    • この薄い絵具の層を、すでに乾燥した絵具の層の上に重ねていきます。
  • 光の透過と反射:
    • グレーズ層を通過した光は、下の層で反射し、再びグレーズ層を通って私たちの目に届きます。
    • この光の透過と反射の繰り返しによって、単色の絵具では得られない、複雑で深みのある色彩が生まれます。
  • 層を重ねる効果:
    • 複数のグレーズ層を重ねることで、色の深みが増し、微妙な色調の変化や光沢を表現できます。
    • また、下の層の色が透けて見えるため、奥行きのある表現が可能になります。

グレーズ技法の応用

  • 色彩の調整:
    • グレーズ技法は、絵画の色彩を微調整するのに役立ちます。
    • 例えば、特定の色合いを強調したり、全体の色彩のバランスを整えたりすることができます。
  • 質感の表現:
    • グレーズ層の厚みや重ね方を変えることで、さまざまな質感を表現できます。
    • 滑らかな質感、光沢のある質感、または奥行きのある質感などを表現するのに適しています。
  • 光と影の表現:
    • グレーズ技法は、光と影の微妙な変化を表現するのに効果的です。
    • 光が当たる部分に明るいグレーズ層を、影の部分に暗いグレーズ層を重ねることで、立体感や空気感を表現できます。

グレーズ技法の注意点

  • 乾燥時間:
    • グレーズ層を重ねる際には、下の層が完全に乾燥していることを確認する必要があります。
    • 乾燥が不十分な状態で重ね塗りすると、色が混ざり合って濁ってしまうことがあります。
  • 絵具の選択:
    • グレーズ技法には、透明性の高い絵具を選ぶことが重要です。
    • 不透明な絵具を使用すると、下の層の色が隠れてしまい、グレーズの効果が得られません。
  • 薄塗りの技術:
    • グレーズは薄く絵具を塗ることが重要です。厚塗りをしてしまうと、下の絵具が溶け出したり、乾燥に時間がかかりすぎたり、ひび割れの原因になることがあります。

グレーズ技法の代表的な画家

  • ヤン・ファン・エイク:
    • 初期フランドル派の画家で、グレーズ技法を語りながら驚くほど写実的な作品を続けた。
    • 代表作:「ヘントの祭壇画」「アルノルフィーニ夫妻の肖像」
  • ヨハネス・フェルメール:
    • 光の表現に優れ、グレーズ技法によって独特の透明感と輝きを作品にもたらしました。
    • 代表作:「真珠の耳飾りの女」「牛乳を注ぐ女」

油絵の技法を活かした人物の描き方とは?

フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像」

油絵の技法には様々なものがありますが、代表的なものを2つ紹介します。

インパスト技法でダイナミックな表現をする方法

絵の具を厚く塗るインパスト技法を使うと、力強い印象の人物画になります。

インパスト技法(impasto)は、絵画における技法のひとつで、絵具を厚く塗り重ねることで、画面に立体感や物質感を与えるものです。以下に、インパスト技法について詳しく説明します。

インパスト技法とは

インパスト(imposto)とは、イタリア語で「盛り上げる」という意味の言葉です。

インパスト技法の基本

  • 絵具の厚塗り:
    • インパスト技法では、筆やペインティングナイフなどを用いて、絵具をキャンバスや支持体に厚く塗り重ねます。
    • 絵具の盛り上がりによって、画面に凹凸が生まれ、光と影のコントラストが強調されます。
  • 物質感の表現:
    • 絵具の厚塗りによって、絵具そのものの物質感や質感が強調されます。
    • 筆跡やナイフの跡が残り、絵画に独特の表現力や力強さを与えます。
  • 光と影の表現:
    • 絵具の盛り上がりによって、光が当たるところと影になるところのコントラストが強くなります。
    • これにより、絵画に立体感や奥行きが生まれ、より豊かな表現が可能になります。

インパスト技法の応用

  • 質感の表現:
    • インパスト技法は、さまざまな質感の表現に用いられます。
    • 例えば、岩や木などの自然物の質感、布や金属などの人工物の質感などを表現するのに適しています。
  • 感情の表現:
    • インパスト技法は、画家の感情や内面を表現する手段としても用いられます。
    • 力強い筆致や絵具の盛り上がりによって、情熱や激しさ、あるいは静けさや落ち着きなどを表現できます。
  • 光の表現:
    • インパスト技法は、光の表現にも効果的です。
    • 絵具の盛り上がりによって、光の反射や陰影が強調され、より印象的な光の表現が可能になります。

インパスト技法の注意点

  • 絵具の乾燥:
    • インパスト技法で厚塗りした絵具は、乾燥に時間がかかります。
    • 厚塗りすぎると、ひび割れや乾燥不良の原因になることがあります。
  • 絵具の選択:
    • インパスト技法には、粘度の高い絵具を選ぶことが重要です。
    • 薄い絵具では、盛り上がりがうまく表現できません。
  • 支持体の選択:
    • インパスト技法で厚塗りした絵具は、重量が増すため、丈夫な支持体を選ぶ必要があります。
    • キャンバスだけでなく、厚手のパネルや板なども適しています。

インパスト技法の代表的な画家

  • インパスト技法を効果的に用いた代表的な画家は数多くいますが、特に有名な画家を以下に紹介します。

    • フィンセント・ファン・ゴッホ:
      • ゴッホの作品は、大胆で力強い筆致と、絵具の厚塗りが特徴です。
      • 彼は、インパスト技法を用いて、感情や内面を激しく表現しました。
      • 代表作:「星月夜」「ひまわり」「自画像」(画像参照)
    • レンブラント・ファン・レイン:
      • レンブラントは、光と影の表現に優れており、インパスト技法を駆使して、光の当たる部分を強調しました。
      • 彼の作品は、光と影のコントラストによって、劇的な効果を生み出しています。
      • 代表作:「夜警」「自画像」

ブレンディング技法で滑らかなグラデーションを作る

    ジョン・シンガー・サージェント 「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」

ブレンディング(ぼかし)技法を使えば、肌のトーンを自然に馴染ませることができます。
私は柔らかい筆を使って色をなじませ、スムーズなグラデーションを作っています。

ブレンディング技法とは

ブレンディング技法とは、異なる色やトーンを滑らかに融合させることで、より自然な表現や立体感を生み出す絵画の技法です。この技法は多くの芸術家によって活用されており、光と影を柔らかく繋げることで、リアルな質感や奥行きを作り出すことができます。

主要なポイント

  • 色の混合: 2つ以上の色を境界線が見えないように馴染ませます。これにより、画面全体が一体化したような統一感が生まれます。
  • トーンの変化: 暗い部分から明るい部分へ、または逆方向へ、なめらかに移行させることで立体感を表現します。
  • 適切な道具の活用: 柔らかい筆やスポンジ、時には指や布を使って絵具をぼかします。

ブレンディング技法の種類

ブレンディング技法には、主に以下の3種類があります。

  • ドライ・ブレンディング:
    • 乾いた筆や布を使って、絵具の境界線をぼかす技法です。
    • 繊細なグラデーションや、かすれたような表現に適しています。
  • ウェット・オン・ウェット:
    • まだ乾いていない絵具の上に、別の絵具を塗り重ねてぼかす技法です。
    • ブレンディングが素早く行え、油彩や水彩でよく使われる技法です。
  • メディウムを使ったブレンディング:
    • ブレンディング用のメディウム(揮発性油や調合溶剤)を使って、絵具を薄めながらぼかす技法です。
    • 透明感があり、緩やかなグラデーションを作るのに適しています。

ブレンディング技法の効果

ブレンディング技法を使うことで、絵画に以下のような効果を生み出すことができます。

  • グラデーション:色のトーンが別の色へと徐々に変化する表現手法で、自然な質感や立体感を演出できます。
  • 光と影の表現:光と影の微妙なニュアンスを表現し、絵画に空気感を与えます。
  • 柔らかい質感の表現:布や肌など、柔らかい質感のものを表現するのに適しています。
  • 絵具の層による表現:何層にも絵具を塗ることで、複雑な表現が可能になります。

ブレンディング技法の注意点

ブレンディング技法を間に挟む場合には、以下の点に注意する必要があります。

  • 絵具の乾燥具合によって、ブレンディングの効果が変わるため、乾燥時間を考慮する必要があります。
  • ブレンディングしすぎると、色が濁ってしまう場合があるため、注意が必要です。
  • メディウムを使用する場合は、正しい種類と量を選ぶ必要があります。

ブレンディング技法の代表的な画家

ブレンディング技法を極めた代表的な画家には、以下のような巨匠たちがいます。

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 彼の作品「モナ・リザ」は、スフマートというブレンディング技法の象徴です。この技法では、輪郭線をぼかして柔らかなトーンを生み出すことで、より自然で立体的な表現を可能にしました。
  • レンブラント・ファン・レイン オランダの黄金時代を代表する画家であり、光と影の絶妙なブレンディングで知られています。「夜警」などの作品は、その技法が特に際立っています。
  • ジョルジュ・スーラ 点描技法を用いたポスト印象派の画家ですが、ブレンディングも独自の形で表現しました。細かな点を調和させて全体の色調を統一する手法が特徴的です。代表作:「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(画像参照)
  • ジョン・シンガー・サージェント 19世紀末から20世紀初頭の肖像画家で、滑らかなブレンディングを駆使して、布や肌の質感をリアルに描き出しました。「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」(画像参照)

油絵ならではの重ね塗りで深みのある肌を描く

油絵の最大の特徴は、時間をかけて何層も重ね塗りできることです。
私は最初に薄く色を置き、数日置いて乾かしてから次の層を塗ることで、より深みのある表現をしています。

まとめ

ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

私の経験をもとにした人物画の描き方と少し専門的な技法なども併せて紹介しました。ぜひ、自分なりの描き方を見つけて、楽しく油絵に取り組んでみてください!

 

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