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初心者でも安心!油絵の描き方の基本ステップ
準備するものと作業スペースの確保
油絵を始める際、まずは 必要な道具を揃えること が大切です。私自身も初心者として始めたとき、どの道具を選べば良いか悩んだ経験があります。以下に、 最低限揃えるべき道具 を紹介します。
作業スペース も重要です。 十分な自然光が入る場所 を選び、 通気性を確保 しましょう。私は自宅の窓際に小さなスタジオスペースを作りました。絵具や溶剤の匂いがこもらないよう、換気には注意が必要です。
キャンバスの下地作りとスケッチ
キャンバスの下地作りは、油絵の基礎です。私は初めての油絵でこのステップを省略してしまい、絵具で上手く表現できなかった経験があります。しかし、 油絵は失敗しても何度でも修正できるので心配する必要はありません。途中でまた下地となる色を重ねればいい訳です。
キャンバスにジェッソを塗る人もいますが、私の場合、ジェッソは使ったことがありません。私は油絵具で下地塗りをします。テレピンとポピーオイルを4:1くらいで薄めて油絵具に溶いて使います。
乾いたらスケッチをします。鉛筆や炭を使う人もいますが、私の場合は、筆を使い油絵具で大まかな構図を描きます。
スケッチが終わったら、色を塗ります。
基本的な筆使いと色の塗り方
いよいよ本格的な絵具の塗り方に入ります。私の経験から、いくつかの基本的なテクニックを紹介します。
筆の使い方:細めの平筆で細かいディテールを描き、太めの平筆で広い面を塗ると効率的です。
私は平筆が一番使いやすいので、平筆の太さを変えて、バックグラウンドは太めの平筆で、前景の細部は細目の平筆を使っています。
色の混ぜ方:パレット上で絵具を混ぜる際は、パレットナイフを使うとより均一に混ざりますが、筆で混ぜても問題ありません。
基本的な技法を身につけることで、油絵の世界が広がります。初心者でも安心して楽しめるステップを踏むことで、自分だけの作品を作り上げる喜びを味わってください。
油絵の描き方:初心者が知っておくべき道具と材料
基本的な油絵具の選び方
油絵具を選ぶ際には、最初に揃えるべき基本的な色があります。私が初めて油絵を始めたときには、以下の基本的な色を揃えました。
ブラック:アイボリーブラックなどが一般的。暗い部分や陰影を描くのに役立ちます。
レッド:カドミウムレッド、クリムソンレーキ、バーミリオンを選ぶと良いでしょう。暖色系の表現に使います。
ブルー:ウルトラマリンブルーやコバルトブルーやセルリアンブルー。冷たい色や空、海を描くのに便利です。
イエロー:カドミウムイエローやレモンイエロー。明るい部分や暖かみのある色を出すのに最適です。
ブラウン:イエローオーカーやバーントシェンナやバーントアンバー。下地作りなどによく使います。
グリーン:ビリジャン、パーマネントグリーンなど
初めての絵具選びで私は、ホルベインを選び長く愛用していました。ある時期から外国製の絵具に変えました(ルフランブルジョワ、ウィンザー&ニュートン、ヴァンゴッホ、マイメリなど)。これらは、色の発色が良く、色を混ぜ合わせた時もグレードの高い色になりました。最初は高価に感じるかもしれませんが、結果として作品の質を高めることができました。
筆の種類と用途
油絵に使用する筆には様々な種類があり、それぞれに適した用途があります。私がよく使う筆とその用途を紹介します。
平筆:平らな形の筆で、広い面を一度に塗るのに便利です。背景や大きな色面を塗るときに重宝します。
丸平筆:平筆と丸筆の中間の形で、滑らかな曲線を描くときに最適です。風景画の雲や水面を描くときなどに使います。
ファンブラシ:扇形の筆で、ぼかしやマチエールを加えるのに役立ちます。木々の葉や毛並みを描くときに使うと効果的です。
筆を使い分けることで、表現の幅が広がります。
私自身は基本的に平筆を使っています。細かい作業の時は面相筆を使います。
キャンバスとパレットの選び方
キャンバスとパレットも油絵には欠かせない道具です。私が使用しているキャンバスとパレットの選び方を紹介します。
パレット:パレットには木製やプラスチック製や紙製のものがあります。私は昔から木製を愛用しています。プラスチック製も、色の混ざり具合が見やすく、扱いやすいです。パレットナイフで絵具を混ぜる際も、表面が滑らかで使いやすいです。紙製のものは片付けの手間が省けます。
キャンバスとパレットは、自分のスタイルや用途に合ったものを選ぶことが大切です。私はいくつかの種類を試してみて、自分に合ったものを見つけることができました。
初心者におすすめの油絵テクニックと描き方
グラデーションの作り方
グラデーションは、色と色が滑らかに変化する効果 を指します。私が最初に取り組んだテクニックの一つで、 絵に深みや立体感を与えるために非常に役立ちます。
まず、パレット上で2つの異なる色を用意します。例えば、青から白へのグラデーションを作りたい場合、青と白の絵具をパレットに出します。次に、青をキャンバスの一端に塗り、白を反対端に塗ります。その後、中間の部分にこれらの色を少しずつ混ぜながら塗り重ねていきます。
私はこの作業を、ファンブラシや平筆を使って行います。ファンブラシを使うと、絵具が均一に混ざり、滑らかなグラデーションが作りやすくなります。最初の頃はうまくいかず、ムラができてしまいましたが、何度も練習することで、徐々に滑らかなグラデーションを描けるようになりました。
絵具の塗り重ね(層)の基本
絵具を層に塗り重ねることにより、絵に奥行きと複雑さを加えることができます。
まず、最初の層を薄く塗ります。この段階では、基本的な形や色の配置を決めます。絵具を溶き油で薄めて使うと、乾きが早く、次の層に移りやすくなります。
次に、最初の層が乾いたら、上から新しい層を重ねていきます。このとき、絵具の厚みやマチエールを変えることで、異なる効果を出すことができます。
最初の頃は、絵の具の層を塗り重ねることで絵具が混ざりすぎてしまい、意図しない色が出ることもありました。しかし、絵具が完全に乾くのを待つことや、適切な厚みで塗ることを意識することで、きれいな塗り重ねの層ができるようになりました。
マチエール(画肌)の表現方法
マチエールは、絵に触覚的な質感を与える重要な要素 です。私は、かつてはマチエールを使って絵に リアリズム や ダイナミズム を加えることを楽しんでいました。
まず、キャンバスに絵具を厚く塗ります。パレットナイフを使って絵具を塗ると、特に効果的です。私は、山や岩、建物の質感を表現する際にこの方法をよく使います。パレットナイフで絵具をスクラッチ(引っ搔く)することで、荒々しい表面を作ることができます。
筆の種類や使い方によってもマチエールを表現できます。例えば、丸平筆を使って絵具をドライブラシのように軽くこすることで、柔らかな毛並みや葉の質感を表現できます。また、絵の具を直接のせることで表現できます。
初めてマチエールを試みたときは、絵具が厚すぎて乾くのに時間がかかったり、細かい部分がうまく表現できなかったりしました。しかし、色々な道具や技法を試し、自分のスタイルに合った方法を見つけることで、より豊かな表現ができるようになりました。
これらのテクニックを練習し、身につけることで、初心者でも油絵の魅力を十分に楽しむことができます。最初は難しく感じるかもしれませんが、継続して練習することで、自分だけの表現方法を見つけることができるでしょう。
初心者向け油絵の描き方のポイントと注意点
色の混ぜ方と配色のコツ
油絵の魅力の一つは、色を自在に混ぜ合わせて独自の色を作り出せることです。 しかし、初心者の頃はどの色をどう混ぜるべきか悩むことが多いかと思います。私も最初は色の混ざり具合がうまくいかず、絵が濁ってしまうことがよくありました。
基本の3色と白黒を使う:赤、青、黄の基本色と白黒を使って、多くの色を作ることができます。私はこれを学ぶことで、色の理解が深まりました。 少量ずつ混ぜる:一度に多くの色を混ぜると、思わぬ色になってしまうことがあるため、少量ずつ混ぜて様子を見ることが大切です。 パレットナイフを使う:絵具を混ぜる際は、パレットナイフを使うと均一に混ざりやすいですが、筆で混ぜても問題ありません。 配色のコツ:色の調和を考える:対照的な色を使うときは、どちらか一方を主役にすることでバランスが取れます。例えば、青とオレンジを使う場合、青を基調にし、オレンジをアクセントにすることで、調和の取れた絵になります。 暖色と寒色のバランス:暖色(赤、オレンジ、黄色)と寒色(青、緑、紫)のバランスを意識すると、絵全体が落ち着いた印象になります。私の経験では、暖色系の背景に寒色系の前景を描くことで、視覚的に引き締まった作品が出来上がりました。 トーンのバリエーション:同じ色でも明るさや暗さを変えることで、深みのある表現が可能です。私は一色を数種類のトーンに分けて使うことで、立体感を出すことができました。
絵を乾かす際の注意点
油絵は乾燥に時間がかかるため、絵を乾かす際にはいくつかのポイントに注意が必要です。私も最初の頃は乾燥時間を理解していなかったため、作品がうまく仕上がらなかった経験があります。
薄く塗る:絵具を薄く塗ることで乾燥が早くなります。最初のレイヤーは特に薄く塗ることが大切です。 風通しの良い場所で乾かす:油絵は通気性の良い場所で乾かすと、絵具の乾燥が均一になります。 直射日光を避ける:直射日光に当てると、絵具が変色したり、ひび割れたりすることがあります。 乾燥時間の管理: レイヤーごとの乾燥時間を確認:各レイヤーが完全に乾燥するまで待つことが重要です。私は、最低でも一週間は待つようにしています。 乾燥促進剤の使用:速乾性のメディウムを使うと、乾燥時間を短縮できます。ただし、使い過ぎると絵具が割れやすくなるため、適量を守ることが大切です。 完成した作品を長持ちさせるためには、適切な保存方法が必要です。私は保存方法に無頓着だったため、一度作品がダメージを受けてしまったことがありました。その経験から学んだポイントを紹介します。 作品を立てて保存:作品を平らに置くと、キャンバスがたるんでしまうことがあります。私は、専用のラックを使って作品を立てて保存しています。 定期的なメンテナンス:作品を長く美しい状態に保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。私は年に一度、作品の表面を柔らかい布で軽く拭くようにしています。 これらのポイントと注意点を守ることで、初心者でも安心して油絵を楽しむことができます。私自身もこれらの方法を取り入れることで、作品をより長く、そして美しい状態で保存することができています。油絵は時間がかかる芸術ですが、その分完成した時の喜びもひとしおです。しっかりとした準備と知識を持って、素敵な作品を作り上げてください。 シンプルな静物画は、油絵の基本技術を学ぶための優れた練習方法です。私も油絵を始めた頃、果物や花を描くことからスタートしました。静物画は、形や色、光の捉え方を練習するのに最適です。 モチーフを選ぶ:初めはリンゴやオレンジなど、形がシンプルで色も単純なものを選びます。私は最初の作品として、キッチンにあったリンゴを描きました。 構図を決める:モチーフをテーブルに置き、光の当たり具合や影の位置を観察します。自然光が入る窓際で描くと、影が柔らかくなりやすいです。 スケッチを描く:キャンバスに鉛筆で軽くスケッチを描きます。この時、形やプロポーションに注意します。私は形を大まかに捉えることができるようになるまで、何度もスケッチを描き直しました。 色を塗る:モチーフ、背景どちらから塗り始めてもかまいませんが、全体として統一感を意識しながら、モチーフの基本色を塗り、徐々に細部に移ります。私は、最初に明るい色を塗り、次に影やディテールを加えていく方法で練習しました。 この練習を通じて、色の混ぜ方や筆使いの基本を習得することができます。静物画は完成までの時間も比較的短く、達成感を得やすいので、モチベーションの維持にも役立ちます。 風景画は、空や水、木々など多様な要素を含むため、さまざまな技法を学ぶことができます。私も静物画に慣れてきた頃、風景画に挑戦しました。 シンプルな風景を選ぶ:初めはシンプルな風景を選びます。例えば、公園の風景や田舎の風景などが適しています。私は近所の公園の風景をスケッチしました。 構図を決める:風景の中で重要な要素を選び、それを中心に構図を決めます。私の場合、一本の大きな木を中心に据えました。 下地を作る:あらかじめキャンバスに薄く下地の色(イエローオーカーを使うと自然らしさを出しやすいです)を塗り、乾いたらスケッチを描きます。私もこのステップを経て、構図を確認しました。 背景から塗る:空や遠景から塗り始めます。次に中景、最後に前景と順番に進めます。私は空を薄く塗り、徐々に手前に向かって色を重ねる方法で描きました。 ディテールを加える:最後に木や草、花などのディテール(細部や詳細)を加えます。私は細い筆を使って、木の葉や草の細部を描きました。 風景画を描くことで、 遠近法や色のグラデーション、光と影の表現など、多くの技術を磨くことができます。 風景画は大きなキャンバスを使うことが多く、自由な表現を楽しむことができます。
模写は、プロの作品を学ぶための優れた方法です。私も有名な画家の作品を模写することで、多くの技術を習得しました。 作品を選ぶ:自分の好きな画家やスタイルの作品を選びます。私はセザンヌの作品を模写しました。 構図を分析する:選んだ作品の構図や色使い、光と影の配置をよく観察します。この分析が模写の成功に重要です。 スケッチを描く:キャンバスに作品のスケッチを描きます。私は、原作に忠実にスケッチを描くことを心がけました。 色を塗る:原作の色使いを再現するように、注意深く色を混ぜて塗ります。私は、筆の使い方を模倣することで、多くのテクニックを学びました。 細部を仕上げる:最後に細部を仕上げます。原作の細かいディテールを再現することで、技術の向上を実感できます。 模写を通じて、プロの画家がどのように色を使い、どのように筆を運ぶかを直接学ぶことができます。この経験は、自分のスタイルを確立するための貴重なステップとなります。 これらの練習方法を通じて、初心者でも油絵の技術を効率的に学ぶことができます。私自身もこれらの方法で練習を重ねることで、自信を持って作品を描くことができるようになりました。油絵は時間と努力が必要ですが、その分達成感も大きいので、ぜひ挑戦してみてください。作品を長持ちさせる保存方法
初心者が挑戦するべき油絵の描き方練習方法
シンプルな静物画の練習
基本的な風景画の描き方
模写を通じて学ぶテクニック
まとめ
キャンバス:サイズは小さめのもので始めると良いでしょう(F3~F6)。私は最初にF6サイズを使いました。
筆:異なるサイズや形の筆を数本揃えましょう。フラット(平)、ラウンド(丸)、フィリバート(丸平)などの形が便利です。
パレット:木製やプラスチックや紙のパレットを使用します。私は木製のパレットを愛用しています。
パレットナイフ:絵具を混ぜる際やマチエールを加えるのに便利です。
溶き油:揮発性油はテレピン、ぺトロールがありますが、ぺトロールは無臭のものがあるのでお勧めです。乾性油は、ポピーオイル、リンシードオイルがありますが、私はポピーオイルを使っています。
油壷:画用液を入れておくための容器です。
油つぼに画用液を一杯に入れると傾けた時こぼれますので、画用液は油つぼの半分か半分以下で入れてください。
また、ソロバン型は少量の画用液でも使いやすい形です。
筒型は大きい筆に適しており、掃除がしやすくなっています。
※制作終了後の画用液は必ず処分し、油つぼの中や口金周囲を
ペトロールやブラシクリーナーなどで拭いておきましょう。
イーゼル:キャンヴァスを立てかけて描きやすくします。様々な種類があります。私が主に使っているのは組み立て式のものです。